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阿含経十二因縁釈

作者: 釋生如 分類: 二乗解脱 更新時間: 2025-02-24 閲覧回数: 1178

第五章 陰持入経上巻

原文:十二種とは如何なるものか。求むること等しきより生じ、無明を因縁として行あり。行より識あり。識より名色あり。名色より六入あり。六入より触あり。触より受あり。受より愛あり。愛より取あり。取より有あり。有より生あり。生より老死憂悲苦あり。心に致すべからざる悩み、かくの如く苦の種を具足し、習気を致す。

釈:十二因縁法とは如何なるものか。十二因縁法は世間法への一連の求心から生ずる。意根の無明を因縁として身口意の行が生じ、身口意の行より六識の業種が生じ、六識の業種より名色が生じ、名色より六入が生じ、六入より触が生じ、触より受が生じ、受より愛が生じ、愛より取が生じ、取より有が生じ、有より生が生じ、生より老死憂悲苦が生ずる。一切の心に適わぬ事は内なる悩みを絶え間なく致す。かくして生死の苦の業種が具足し、これら全ては触の習気によって造られる。

原文:無明尽きれば即ち行尽き、行尽きれば即ち識尽き、識尽きれば即ち名色尽き、名色尽きれば即ち六入尽き、六入尽きれば即ち触尽き、触尽きれば即ち受尽き、受尽きれば即ち愛尽き、愛尽きれば即ち取尽き、取尽きれば即ち有尽き、有尽きれば即ち生尽き、生尽きれば即ち老死尽き、老死尽きれば憂悲苦の心悩み亦尽きぬ。かくの如く苦の種は具足して尽きることを得。

釈:意根の無明が断尽すれば、行は尽きる。行尽きれば六識の業種は尽き、六識の業種尽きれば名色は滅尽し、名色滅尽すれば六入は滅尽し、六入滅尽すれば触は滅尽し、触滅尽すれば受は滅尽し、受滅尽すれば愛は滅尽し、愛滅尽すれば取は滅尽し、取滅尽すれば有は滅尽し、有滅尽すれば生は滅尽し、生滅尽すれば老死憂悲苦は滅尽する。かくして衆生の具足する生死の苦の種子は滅尽する。

原文:彼の無明とは四諦の存在を知らず、解せず見ず、相応せず受けず、解脱の根を解せざるを名付けて無明と為す。無明の因縁となる行とは如何なるものか。六塵に対する六種の受納なり。何を六と為すか。色声香味触法、これを身の六望受と名付け、これを行と為す。

釈:無明とは四聖諦理を知らず、如実に解せず、世間の四聖諦理を見ず、出世間の解脱道に相応せず、真実の教理を受け入れず、出離を解せず、自他の根機利鈍を弁えざるを云う。無明の因縁より生ずる行とは六塵に対する六種の受納を指す。六塵とは色声香味触法を云い、これを色身の六つの望む受と名付け、即ち意根の行と為す。

原文:行の因縁となる識は六身識と為る。眼耳鼻舌身心、これを六身識と名付く。識の因縁となる名色は、色を字とし、四非色陰を名とす。受想行識は名と為し、色は四大を本と為す。地水火風を謂い、上を名と為し、四を色と為す。此の二つ相連りて共に名色と為す。

釈:身口意の行の因縁より六識の種子が生ず。眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識を六身識と云う。名色の因縁より後世の名色が生ず。字は色陰を指し、名は受想行識の四非色陰を指す。色身は地水火風四大を本とし、上の四陰は名、四大は色、名色合わせて五陰と為す。

原文:名色の因縁より身六入受あり。眼耳鼻舌身心、これを身六入受と名付く。六入の因縁より身六思望あり。眼耳鼻舌身心、これを身六思望と名付く。思望の因縁より身六痛あり。眼耳鼻舌身心、これを身六痛と名付く。痛の因縁より六身愛あり。色愛・声愛・香愛・味愛・触愛・法愛、これを六身愛と名付く。愛の因縁より四受あり。一に欲受、二に見結受、三に戒願受、四に身結行受、これを四受と名付く。

釈:名色の因縁より六入が生じ、六入の因縁より触が生じ、触の因縁より受が生じ、受の因縁より愛が生じ、愛の因縁より四取が生ず。四取とは欲取・見取・戒禁取・我語取を指す。六入に受を伴うは、触塵に対する作用あり、触後必ず受を生ずる故なり。六触を六思望と為すは、意根の選択によるものなり。

原文:受の因縁より有あり。三有と為す。一に欲界、二に色界、三に無色界、これを三有と名付く。有の因縁より生あり。上五陰・六根六塵を有し、已に生ありて聚り住し堕ち分別根に至る。已に入り得るを生死と名付く。何を以てか生死と名付くや。人々の所在する所、住する所已に壊れ過ぎ、死時命根六根已に閉塞するを死と為す。本を老と為し、後を死と為す。故に老死と名付く。

釈:取の因縁より三界の有が生ず。有の因縁より五陰身が生じ、六根具足して三有に堕つ。生死とは五陰身の生滅変異を云い、生後住し、住後老い、命終えて六根閉塞するを死と為す。

原文:無明の相とは如何なるものか。冥中に冥を見るが如く、解せざるより是に従って行相に堕つ。行相とは如何なるものか。後に復た有を生ぜしむるを為す。是を行相と為す。上より是を発起し、識処に堕つ。識相とは如何なるものか。物を識り事を識るを為す。是を識相と為し、名色処に堕つ。

釈:無明の相は内心頑冥にして法を解せざるが故に行相に堕つ。行は後有を生ぜしむる指令なり。識は物事を弁別し、名色に堕して五陰身を生ず。

原文:名色の相とは如何なるものか。俱に依るを為す。是を名色相と為し、六入処に堕つ。六入の相とは如何なるものか。分別の根を為す。是を六入相と為し、思望処に堕つ。思望の相とは如何なるものか。相会して更に生ずるを為す。是を思望相と為し、痛処に堕つ。痛の相とは如何なるものか。更に覚するを為す。是を痛相と為し、愛処に堕つ。愛の相とは如何なるものか。発生するを為す。是を愛相と為し、受処に堕つ。

釈:名色は諸法の依り処なり。六入は六塵を分別する根なり。触は塵に接触して生ず。受は覚を引き起こし、愛は取を生ぜしむ。

原文:受の相とは如何なるものか。受持するを為す。是を受相と為し、有処に堕つ。有の相とは如何なるものか。若干の処に堕すを為す。是を有相と為し、生処に堕つ。生の相とは如何なるものか。已に五陰有るを為す。是を生相と為し、老処に堕つ。老の相とは如何なるものか。転熟するを為す。是を老相と為し、死処に堕つ。死の相とは如何なるものか。命根尽くるを為す。是を死相と為し、苦処に堕つ。

釈:取は保有を為し、有は三界に堕し、生は五陰を具え、老は熟変し、死は命終す。各相次第に苦に堕す。

原文:苦の相とは如何なるものか。身急なるを為す。是を苦相と為し、不可処に堕つ。不可の相とは如何なるものか。心意急なるを為す。是を不可相と為し、憂悩に堕つ。憂悩の相とは如何なるものか。五陰を憂うるを為す。是を憂悩相と為し、愁悩処に堕つ。悲愁の相とは如何なるものか。口に声を出し、悲悩懣を致す。懣は悩を為し、悩亦懣を為す。

釈:苦は身を急迫せしめ、不可意は心を焦燥せしむ。憂悩は五陰を愁え、悲愁は声を発して憤懣を生ず。生死に伴う諸苦は漸く心を衰損せしむ。

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