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日常開示

2019年07月19日    金曜日     第2 回の開示 合計1701回の開示

大乗顕識経(四八)

原文:識の遷移と流転は、日の光が流れるが如く、摩尼珠の照らすが如く、木より火を生ずるが如く、また種子の如し。種子を地に植うれば、その体は地中に化し、芽・苗・茎・葉は外に顕現す。白く生ぜず、赤などの雑色、種々の花、種々の力味、成熟の為す所、種々の差別。同一の大地、等しく四大を資とし、各々その種に随い、生ずる所便り異なり。

釈:阿頼耶識の遷移と出入りは、太陽の光が万物を照らすが如し。日の光は形相なくして万物に光沢と温もりを与え、日の光が滅すれば万物は直ちに光沢と温もりを失う。阿頼耶識もまた同様に衆生に生命活動を与え、生命活動を失わしむ。阿頼耶識の遷移は摩尼珠の物を照らすが如く、摩尼宝光は形相なきも物に宝光の色を現わす。阿頼耶識が色身に遷れば色身を顕現す。阿頼耶識の遷移は木より火を生ずるが如し。木が燃えれば火は出ず。木の中に火は無きも因縁によりて火は現わる。阿頼耶識もまた然り。業の因縁によりて他の色身に遷移し、色身は出生す。

阿頼耶識の遷移は種子を地に植うるに喩えん。種子は全て大地に化し、植物の芽・苗・茎・葉は生じ、完全に土地の外に顕現し、様々な色彩の雑色の花を生ず。然る後果実を結び、種子異なれば果実異なり、その味各々別なり。皆種子の成熟後に生長する所なり。同じく大地は等しく四大の物質的養分を提供し、その種子の違いに随い、生ずる果実には種々の差異あり。

種子が土壌に入り地中に化した後は、尋ね求めても見出せず。種子は何処へ往けるや。芽・苗・茎・葉はまた何処より出で来るや。芽・苗・茎・葉が全て生じた後は、種子は更に影も形もなく消失す。種子は何処へ往けるや。これら一切の現象の出生と消失には、必ず一定の因縁性あり。阿頼耶識が鶏卵と鵞卵に入るも、また斯くの如く因縁ありて、鶏卵鵞卵を形成し、更に鶏と鵞を孵化す。阿頼耶識が一衆生の身体の中に遷移するは、鶏卵なり鵞卵なり、胎生の生命なり化生の生命なりを問わず、太陽が光明を照らし降ろすが如く、摩尼珠がその輝きをもって万物を照らすが如く、また木が火を生ずるが如し。

また種子を地中に植うるに、因縁具足の後、種子は消失し、根・芽・苗・茎・葉は皆生長し出づ。然る後種々の雑色の花を生じ、花の生じ出でたる後は果実あり、果実の味は発散し出づ。種子異なれば結ぶ所の果実もまた差別あり。若し種子が究竟何処へ往けるやを尋ねんとせば、それには去所無し。

本来同じき大地、大地上同じく地水火風の四大物質を備え、四大種子に依りて潤されば、根・芽・苗・茎・葉・花・果実などを生ず。但し種子異なれば生ずる果実もまた異なり。皆各々の種子に随って各類の果実を生成す。

——生如法師の開示
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