なぜ現代における仏道修行者は修定が難しいのでしょうか

現代の仏教徒に普遍的に見られる現象は、禅定を修める条件と福徳が共に不足しているため、定力を修得することが極めて困難であるということです。表面的には多くの人々の物質的生活水準が確かに向上しているように見えますが、出世間法である仏法に用いるべき福徳は甚だ不足しています。

禅定が修まらず心が空寂でない者は、常に自らの内面を検証し観照しなければなりません。心の中が欲界の財・色・名・食・睡で満たされていないか、欲界の諸法や人事物理に執着していないか、これらの欲界法に対する深い執着が存在しないかを観察すべきです。これらの執着は全て禅定修行を阻害する病根であり、禅定修得を困難にしています。この病根を見出したならば、直ちに除去する方法を考え、絶え間なくこれらの法の虚妄性と不実性を思惟分析観察し、執着性を軽減すべきです。

美食を好み、快適さを求め、享楽を貪り、賞賛を渇望し、欲界の人間法に何もかも執着し、全てを気にかけ、世間のあらゆる事柄に執心し重視する者が、禅定を修得することは不可能です。人生への追求が多ければ多いほど、人生への希望と興味が強ければ強いほど、禅定を得ることは困難になります。なぜなら物が心を塞ぎ、心の負担が重くなり、空寂を得られず軽安を体得できないからです。もし我々が世間に対する様々な貪愛や憎嫉怨恨などを幾分か降伏させることができれば、禅定は速やかに現前します。

もし我々が念念五陰世間に執着し、攀縁が甚だしければ、禅定の生起はあり得ません。五陰世間への厭離の心を生じさせ、欲求がなくなって初めて欲界定が現前します。欲界天人の五陰生活環境に厭離して初めて色界定が現前します。もし我々が世間の一切に対していつも希求心を持ち、心が常に境に趣こうとするならば、より殊勝で勝妙なものを容れることは極めて困難です。