内なる焦燥感や苛立ちなどの情緒的なものは、全て意根のものであり、外面的には意識と五識の状態として現れます。心の葛藤は主に意根と意識の対立として表れ、両者の認識の違い、理解力の相違、思想観念の差異によって対立が生じます。
意根に何かあれば我々もそれを有し、意根に何かなければ我々もそれを持ちません。意識は主導的な識ではなく、それが何を持ち何を持たないかは、意根に影響を与えない限り何の役にも立ちません。意根に欲心所がなければ、何事も行おうとせず、無欲無求となり、心は清浄となります。意識が如何なる欲望を持とうとも、意根に影響を与えることはできず、意根が主導しなければ何事も行われません。しかし意根には貪りと欲望があり、これを貪欲と称します。貪欲を断ち切った者は初禅定を具えた三果人となり、後世には色界天に生まれるのです。
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