量的変化から質的変化への学法過程

ある法の内容については、学習期間が短く、接する内容量が少ない場合、質的飛躍に至ることはできません。学んだ法義は最初のうちは容易に思い出せず、融通無碍に理解することが困難です。というのも、初期の学習は意識を主体としており、要領を得ていない段階では、意識は基本的に復誦暗記型であり、意根にまで到達していないからです。復誦暗記した内容は忘れやすく、畢竟それは自証を得ていないため自らのものとなっていません。意根が理解して初めて忘れにくくなり、時と場所を選ばず思い出せ、開口すれば即ち語ることができるようになります。真に理解し証得したものは、記憶や暗誦を必要とせず、必要とする時が来れば理が即座に通じ、自然に説き示せるものです。暗誦復誦した内容を再現するには一定の時間を要し、即座に提示することはできず、回想を重ねる必要があり、しかも回想した内容も完全であるとは限りません。