意根に判断力はあるか？

問：意根に判断力はありますか。

答：意根には必ず判断力があります。なぜなら、それは主導する識であり、五蘊の身全体の運行を司っているからです。判断力がなければ五蘊の身の身口意の行いを主宰できず、もはや主導する識とは言えません。では、誰が主導するのでしょうか。ただ、判断力の大小の問題、正確性の問題、どの法において判断力が大きく、どの法において小さいかという差異が存在します。意根が了別した法においては判断力が大きいのです。了別が明確であれば判断しやすく、迅速かつ正確に判断できるからです。意根の了別が不明確であれば、判断できないか、迅速かつ正確に判断できません。意根が理解できない法に対しては、躊躇するか判断を誤ります。そうすると意根の下す決断は盲目で誤ったものとなります。意根の選択が誤れば、六識の実行も誤ります。

しかし私たちは観察できます。世俗法において、衆生の選択は全て誤りで盲目的でしょうか。明らかにそうではなく、正確な時も少なくなく、むしろ多くの場合筋が通っています。これは意根に判断力があり、その判断力も小さくないことを示しています。判断できない状況も存在し、躊躇する状況も存在し、判断を誤る状況も確かに存在します。これは意根自体の智慧に関わり、意根の勝解力に関係しています。

意根の判断は、一方では直接法に基づいて行われます。意根がより慣れた法、より多く経験した法ほど、単独で判断しやすく、重大かつ危急の法ほど、単独で迅速に判断しやすくなります。その後選択を下し、六識が生起して実行に移します。もし意根が接触した境界法を勝解できなければ、迅速かつ正確な判断ができません。他方、意根の了別が粗雑である場合、細かな了別には六識の了別に依存し、意識の思考分析・研究推論・判断を経て、六識から伝達された情報に基づき、独自に思量判断し、六識を生起させて実行します。もし意根が六識の了別内容や、意識が思考分析・理解判断した内容を勝解できなければ、判断や選択ができず、あるいは誤った判断選択を下し、六識が誤って実行することになります。

家の主に判断力がなければ、家族は直接死に至るか、息も絶え絶えとなり、生き続けることはできません。