六識の一切の情報は、刹那刹那に意根に伝達される。意根は刹那刹那に六識が了別した情報及び六識の心行を知る。故に意根は六識の情報に基づき、刹那刹那に自らの心行を起こし、更に刹那刹那に主宰を行うのである。六識は意根の使用道具に過ぎず、六識が使用不能となれば、意根が反応しても表現できず、焦っても仕方がない。あたかも人が大樹を切り倒そうとする際、手元の刃具が壊れて使えなければ、ただ見守るしかなく、為す術がないのと同様である。
人が刃具で木を切り倒す時、木が倒れたのは人の行いか刃具の行いか。もちろん人が刃具を用いて木を倒したのであり、功過は人の頭上に算されるべきである。同理、意根が六識を用いて一切の身口意行を造作する時、その功過は意根の頭上に算されるべきで、六識はただ支配されるに過ぎない。但し六識が意根に献策し、意根がそれに従って造作した行為については、六識も分け有するのである。
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