二十四祖師子尊者伝法偈

原文：正に知見を説く時、知見は全て心なり。心即ち知見たる時、知見は即ち今に在り。

解釈：知見について説く際、これらの言葉や知見は全て自心より流露するものであり、自心が顕現した功徳の利用に他ならず、その全体が自心と一体不二のものでございます。知と見が形成されるやいなや、自心に内在する種子の機能の一部が分別作用として現れます。これは黄金を指輪に鍛造しても黄金の自体性を失わず、なお指輪の功用を備えるが如く、自心もまた知見に転じながら本具の体性を失いません。指輪は黄金より成り、知見は自心より生ず。指輪の全体は即ち黄金なりといえども、黄金の全てが指輪にあらず。知見の全体は即ち自心の本性なりといえども、自心の全てが知見に転ずるにあらず。