如何にして意根の執着を断ずるか

もし意根の執着性を降伏させることができれば、どこに座っても心は空々として、禅定が現前する。行住坐臥が虚空の中にいるようになる。執着が軽減され、身心が軽安となる。ゆえに空はまず意根を空にし、その後意識が空となり、内心は空々となる。

意根が五蘊への執着性を除去するためには、意根を禅定の状態でゆっくりと細やかに、意識の観行に随わせる必要がある。意根に意識の観行思惟の内容を徐々に思量させ、意根が真に思量し明らかにして五蘊が確かに空幻であると確定すれば、五蘊無我を証得する。単に意識がこの理を知るだけでは、意根が確定せず肯定しないため、証得とはならない。意根に定がなく散乱攀縁する時は、法義に専心して考慮することができず、証得できない。意根に定があって散乱攀縁せず、心が専一に集中して初めて思量観察が可能となり、最終的に確認して無明が断除される。

具体的な観行では、まず色蘊が如何に生じ如何に滅するかを観じ、受蘊が如何に生じ如何に滅するかを観じ、徐々に細やかに思量観察し、色蘊と受蘊の苦・空・無常をゆっくりと受け入れる。定がなければ、意識の思惟分析のみに留まり意根に深く入ることができず、意根はこの理を受け入れず、抵抗さえ示す。

想蘊の生起と滅去を観察する。例えば茶を飲む時、茶味への了知性が如何に生じ如何に滅するかを観察する。音を聞く時、音声への了知性と執着性が如何に生起し如何に滅するかを観る。意根に一定の時間と精力を与え、静かにゆっくりと意根に思惟思量させ、受け入れさせ、意識の現量観察に随って自らの思量を起こさせる。定があれば観行は意根に深達し、全ての法は意根に受け入れ認可され、その後変化する。意根は目に見えるものを実在と認める。

行蘊の生起と滅去を観察する。身口意行の出生と滅去、茶を取り淹れ飲む一連の行為は全て行蘊である。行蘊が如何に生じ如何に滅し、如何に苦・空・無常であり、如何に無我であるかを観じ、意根が確定すれば我見を断除し、その後の修行は徐々に我執を断除する。観行には禅定が必要で、定中で意根に法を思量する充分な時間と精力を与え、自ら五蘊の無我性を証明させる。意根が常に攀縁に忙殺され意識の熏習した法義に従う状況では、思惟確認する精力が全くない。

識蘊の生起と滅去を観察する。色を見る時、眼識が如何に生起し如何に滅するかを観る。声を聞く時、耳識が如何に生起し滅するかを観察する。一つの識ずつこのように観察し、六識の生滅・幻化・無常・苦・空・無我を観じ、必ずゆっくりと細やかに観察して意根に深達させ、意根をして共に思考観察させ認可させる。意根が一旦認可すれば、徐々に五蘊への執着を緩め、我執の断除に望みが持てる。