三解脱門
原文:**大王様、諸根は幻の如く、境界は夢の如し。一切の諸法は自性空寂なり。これを空解脱門と名づく。空に空の相なし、これを無相解脱門と名づく。若し相なき者は、則ち希求する所なし、これを無願解脱門と名づく。若し能く了知せん、三解脱門は空と共に行ずることを。菩提の先道は法界の如く広大にして、究竟は虚空の如し。此の譬喩に於いて、かくの如く知るべし。**
釈:仏は説きたまう、大王様、六根は全て幻化されたものなり、全ての境界は夢の如し。一切の諸法の自性は全て空寂なり、これが空解脱門なり。空解脱門にも空の相貌はなし、これを無相解脱門と呼ぶ。もし一切の法に相なきならば、我らは再び何らの願い求める所あることなく、これを無願解脱門と呼ぶ。もし我らが能く究竟に了知せん、此の三解脱門は全て空と共に空なりと。されば涅槃の菩提の大道は広大なること如来蔵の法界の如く、其の究竟性は虚空の如し。此の如き譬喩に対し、我らはかくの如く認知すべし。
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