万法の束縛から心を解脱させる
解脱の理は小乗阿含経に多く説かれており、心が万法に束縛されないことが即ち解脱である。我々は今まさに万法に束縛されているのではないか。自らが色陰・受陰・想陰・行陰・識陰という五陰に束縛されているか、眼耳鼻舌身意の六根に束縛されているか、色声香味触法の六塵に束縛されているかを観察すれば、必ずや束縛されていると分かる。ならば解脱を求める方策を講じなければならない。
万法は全て十八界に包含される。我々の生活における森羅万象、色声香味触法は全て万法に含まれる。いかなる事理も五陰十八界を離れず、我々の心は確かに万法に束縛されている。では具体的にどの心が万法に束縛されているのか。前七識の心は全て束縛されており、第七識の意根は普遍的に一切の法に執着し、五陰に執着し、十八界の一切の法に執着する。十八界に束縛されているが故に、絶えず六識を染汚し同様に六塵の境界に貪着する。かくして六塵より解脱を得ず、六道の生死苦海を出離すること叶わず、生死の中を流浪して憂悲苦悩に沈むのである。
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