衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成

生如法師ウェブサイトロゴ

日常法話

2025年03月10日    月曜日     第1開示 合計4340開示

脳が意識機能の強弱を決定する

夢の中の独頭意識と夢の外の独頭意識は何が違うのでしょうか。睡眠中には気血の運行が弱まり、脳内の気血運行も弱まります。六識は大脳の勝義根に依存して生じ運行されるため、夢の中で独頭意識が生じた後は、勝義根の問題により意識心の機能が比較的弱くなります。夢の中での意識の了別は十分に明瞭細かくなく、記憶も固着しません。もし意根が夢の内容を非常に重要だと感じ、それが強い刺激となれば、印象は深くなり、独頭意識にその印象を強化させます。目覚めた後、意識は鮮明に記憶し、夢の内容をはっきりと思い出すことができます。

外部の要因により大脳が損傷し昏睡状態になると、六識は消失します。目覚めた後、記憶喪失になる人もいます。これは大脳の損傷が意識機能の発揮を阻害し、情報統合機能が混乱あるいは弱体化するため、特定の期間の人事を思い出せなくなるのです。大脳に強い刺激を与えると、意識が記憶を回復し、過去の人事を思い出す可能性があります。子供や幼少期の記憶が固着しないのは、大脳の発達が不完全で意識機能が弱く、記憶が定着しないためです。高齢者の意識は一般的に若い頃より機能が弱く、了別が細かくなく、思考が粗雑で、いわゆる老耄(ろうもう)状態となります。

気血の運行が円滑でないと大脳を損傷し、人は愚鈍・痴ほう状態になります。よって六識は依他起性(えたきしょう)であり、因縁によって生じた法(因縁所生法)であって、極めて虚妄(こもう)なものであり、依存すべきものではありません。六識は我(アートマン)ではなく、我の所有物(我所)でもありません。中陰身(ちゅういんしん)においては、意識の機能作用はさらに微弱です。中陰身は一時的に生じたもので、四大(しだい)が粗悪であり、はるかに人身に及ばず、意識の機能作用を著しく阻害するからです。よって中陰身では意根の心行(しんぎょう)が主体となり、意識は意根を効果的に調御できず、意根の本性が後世の趣向(しゅこう)を決定します。したがって意識のみで証果(しょうか)を得るのは紙で糊(のり)したような脆い果報であり、意根が同時に証果を得て初めて証量(しょうりょう)が堅固不退(けんごふたい)となり、来世に持ち越されるのです。


——生如法師の開示
前へ前へ

意識と意根は分離可能か

次へ 次へ

証果に関する対話

ページトップへ戻る