確信することは真の不疑と言えるのでしょうか？

科学者が計器を用いて地球が楕円形であると測定したと言われ、ほとんど全ての人がそれを信じています。しかも確信に近い信仰心で、既に深く根付いて変えがたいものとなっているようです。これを信じない者があれば、人と議論したり嘲笑したりしますが、これも真実の確信ではありません。信仰にも多くの段階があり、中には全く疑わない確固たる信念を持つ者もいます。しかし自ら実証していない限り、これらの信仰は全て盲信と迷信に属し、実証による信仰ではないため、疑いが依然として潜在的に存在しています。ただ非常に深層に隠れていて観察しにくいのです。

地球が楕円形であると知ることは、単に伝聞による意識の知識に過ぎず、意根が直接目撃していないため、疑惑を断ち切ることはできません。多くの人が目撃した事柄でさえ、真実とは限らず、誤認も多いため、目撃が必ずしも真実を意味しません。従って意根の疑惑は断絶され得ないのです。他の因縁が生じ、地球が実は菱形や三角形だと説かれるや、以前の信仰が揺らぎ不信に転じる者が少なくありません。

なぜ信心が変化するのでしょうか。それは実証を伴わず、意識の確信がどれほど強固でも信頼に値せず、因縁が変われば意識の疑いが顕現するからです。意根が元来信じず、疑惑を断たない限り、因縁が変化すれば意根の実証的支えを失った意識は容易に変転し、主体性を失います。意識の主体は常に意根にあり、決定的瞬間には必ず意根に従うのです。地球を実見し、全体的・宏観的にその形状を証得して初めて、意根は疑惑を断ち信心を生じます。仮に未来に因縁が変化しても意根が依然確信を保つならば、意識は意根に従って疑いなく信じ続け、たとえ意識に疑いが生じても影響せず、意根を信じるのです。

自ら我見を断じたと確信すれば即ち初果を証得したとする説がありますが、これはいかに幼稚で笑止千万な主張でしょう。凡夫の確信が信頼に足るでしょうか。もし信頼できるなら、なぜ衆生は些細な変化にも容易に動揺し信仰を失うのでしょう。凡夫の確信が真に信頼できるなら、仏陀が「慎んで汝の意を信ずるなかれ、汝の意は信ずべからず、阿羅漢果を証して初めて汝の意を信ずべし」と説かれたのは何故でしょうか。

歴史上、我見を断じた証果を公認された方は、仏在世の仏陀御自身と、仏涅槃後の第四祖般若鞠多尊者に限られます。仏陀は言うまでもなく、無量の智慧と神通力を具え、他心通・宿命通によって衆生の心を悉く見通され、弟子たちの証果を面識なくとも直ちに知り得ました。第四祖般若鞠多尊者は阿羅漢果を証得しただけでなく大神通力を具え、波旬の種々の妨害を調伏して仏法の清浄を守り抜かれました。

第四祖の解脱の証量と宿命通・他心通を以てすれば、弟子の証果を直ちに正確に知り得たことは当然です。これらに比べ、証量がなく智慧も不十分で神通力を持たぬ者は、他人の心理状態を如実に観察できず、証果の公認は不可能です。極めて深い智慧を持ち、累世にわたり数多の証果を経験した者ならば、神通なくとも証果を公認し得ますが、それ以外の者にはその資格も能力もありません。ましてや経験なき凡夫が自らを公認することは、誤判を免れず、招来する結果も計り知れません。

仏法の修行は世間法よりも一層実践的かつ厳格であるべきです。仏法を戯れ事と見做し簡易と考えるべきではなく、実際仏法ほど困難なものはありません。衆生は無始劫来ずっと世間法に執着し、仏法には極めて疎く、重畳たる業障が障害となり、その阻害は往々にして想像を超えるからです。堅実に仏法を学び修行することが本分であり、これによって業障煩悩を増すことなく、生死の深淵に沈み込むことを防げるのです。