問:ある時、墓地のそばで茵陳(カワラヨモギ)を摘んでいたところ、いつも背後の誰かがいるような気がしましたが、実際には周囲に人影はありませんでした。これは意根(マナス)の感覚でしょうか、それとも意識(識)の感覚でしょうか。実在するのか錯覚なのですか?
答:誰かがいるように感じるのは意識の感覚です。この感覚は意根が意識に伝えたもので、意識は背後に人がいるのを見てはいませんが、意根はそれを感知できます。意根はこの事態を処理できないため、意識に感覚を伝え、後で処理させます。この時点で意識が理解できなければ、処理はできません。もし意識が背後に幽霊がいるかもしれないと理解すれば、離れるか留まるかの判断を下します。度胸のある者は留まり、度胸のない者は離れます。ただしこの度胸とは意根の性質を指し、最終的に離れる決断を下すのも意根の決定です。
意根は意識が見えない人や事象、冥界の衆生を含む存在を認識できますが、意識はそれを知りません。意根が意識に知らせようとすると、意識は疑念や感覚を抱きます。もし意識に智慧があれば、合理的に分析・思惟・推論し、何が起きているかを理解できるようになります。
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