衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成

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日常法話

2024年07月15日    月曜日     第1開示 合計4219開示

意根は前世のどのような情報を伝えることができるのか

例えば憨山大師が蘇東坡の遺品を目にした時、非常に親しみを覚え、懐かしく感じられた。これは意根が伝達した情報であり、意識がそれを了別して親近感を生じたのである。この了別は漠然として確かなものではないが、感覚は極めて鮮明であり、これこそが意根が意識にもたらした感覚である。もし意識に智慧があって意根の思惑をさらに識別できれば、より多く、より詳細かつ正確な情報を知ることができ、単なる親しみや懐かしさといった感覚に留まらない。そうなれば意根は自らの思惑を満たし、さらなる考えや行動へと発展する可能性がある。

例えば乙が陰でいつも甲の悪口を言っている場合、甲の意識は気づかなくとも、意根は感知している。すると甲が乙に会う時、意根は確実に情報を伝達し、意識は理由もなく不快感を覚え、乙をあまり好ましく思わなくなる。しかし具体的になぜ嫌悪感を抱くのか、意識は理解できない。意根は理解しているが表現できないのである。もし意識に智慧があればその理由を理解し、乙が常に自分の悪口を言っていることを知り、何らかの報復行動を計画するかもしれない。意根が一度報復に同意すれば、甲乙二人の間に因縁が生まれることになる。ゆえに陰で人を議論したり評価したりすべきではなく、ましてや陰で害をなしたり罠を仕掛けたりしてはならない。なぜならどんな秘密も漏れ、壁に耳ありと申す如く、人と悪縁を結べば遅かれ早かれ報いを受ける。因果の理から外れる者などおらず、何事も結果を伴わないことなどないのである。

意根はさらに貪・瞋・痴といった一切の煩悩を意識に伝達しうる。例えば物欲に駆られ、財物を見れば我が物にしようと欲する。意識は気が引けて容易に行動できなくとも、意根が背後でそそのかし主導すれば、意識は小心翼翼と、こそこそと、密かに財物を我が物とする方法を考え出す。もし意根が正しければ、意識に正直な心念を伝達することもできる。意根が果断であれば、意識を強固にすることもできる。意根に智慧があれば、意識のなすことを理にかなった法に適ったものとし、染汚の境界に遭遇しても汚染されずに済ませることができる。

——生如法師の開示
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業障は意識によって消除されるのでしょうか、それとも意根によって消除されるのでしょうか。

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