意根法理の作用

仏教における我見を断つ法理と意根の法理は、仏教と人類の双方に極めて大きな利益をもたらします。心理学者や社会学者もそこから大きな恩恵を得ることができ、意根すなわち潜在意識の理を理解すれば、自らを内省し、自らの心理現象を観察することで自己を理解し、正しく自己に対処し、さらには自己を変革することさえ可能となります。彼らがまだ仏法を理解していなくともです。企業の営業担当者も恩恵を受け、己を知り彼を知ることで相手の心理を掌握し、流れに乗って導くことができれば、販売は成功します。あらゆる業界が心理学、すなわち潜在意識である意根の法理から恩恵を受けるでしょう。成功学で言う「自分と自分との対話」とは、まさに意識が意根を薫染し導くことで自我を降伏させることなのです。

心理的障害の問題はすべて意根と意識の問題であり、統合失調症も意根と意識の問題です。自分と自分が対話する際に、二人の自分が話し合いを続けられなくなると分裂します。統合失調症の根本的な問題は、意根と意識の思想・価値観が統一されず、意識が意根を説得してこの社会に順応させることができないことです。時には意識自体も問題の所在を理解しておらず、なおさら効果的に意根を説得・導くことはできません。もしどうしてもこの社会と相容れず、誤った考えや行き詰まりから抜け出せず、思想や観念が束縛されて開かれなくなると、精神は分裂します。五蘊の問題と意根・意識を明確に理解し、あらゆる現象が空であることを実証できれば、いかなる人も精神的・心理的な疾患を抱えることはありません。