衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成

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日常法話

2024年07月03日    水曜日     第1開示 合計4211開示

菩薩はなぜ菩提心を発する時に相に住してはならないのですか?

原文:菩薩は一切の相より離るべし。阿耨多羅三藐三菩提心を発すべし。色に住して心を生ずべからず。声・香・味・触・法に住して心を生ずべからず。住するところなき心を生ずべし。若し心に住するところあらば、則ち住と為すに非ず。是の故に仏は菩薩の心は、色に住して布施すべからずと説きたまう。須菩提よ、菩薩は一切の衆生を利益せんが為に、応に是の如く布施すべし。

釈:仏は菩薩は一切の相より離れ、阿耨多羅三藐三菩提心を発し、色法に住して心を生ずべからず、声・香・味・触・法に住して心を生ずべからず、菩提心を発する時には、住するところなき心を生ずべしと説かれた。もし心に執着があれば、それは非法の住であり、真の住ではない。それ故に仏は菩薩の心は色法に住して布施すべからずと説かれた。須菩提よ、菩薩は一切の衆生を利益せんが為に、このように布施すべきである。

何故菩薩は一切の相より離れて菩提心を発すべきか。菩提心を発するのは自利利他、衆生と共に仏道を成就し、涅槃の彼岸に到達し、寂静清凉を得て空寂の境界に住する為である。而してこのような境界を証得するには、金剛心の実相を実証すると同時に、金剛心が顕現する一切の法の空相を証得しなければならない。一切の法相が空であり得られない以上、相に住して心を発し、相に住して修行し、相に住して布施するのは、いずれも仏道に背き、菩提を証得できず、世間・出世間の利益も得られない。故に菩薩が菩提心を発する際、世間の種々得難き利益、例えば荘厳なる相貌を得んが為、富貴栄華を得んが為、天に生まれて福を享けんが為、神通を得んが為、不老長生を得んが為、衆生の崇拝を得んが為、他者に打ち勝たんが為、転輪聖王とならんが為、天主とならんが為など、これらは全て色・声・香・味・触・法に住するものであり、いずれも菩提の大願を成就せず、菩提大道を成就できない。

もし菩薩の発心がこれらの法相に住すれば、これらの所謂る住は全て非法の住、理に適わぬ住であり、結果は空幻にして得られず、執着しても執着できない。故に菩薩が布施行を行う時は色・声・香・味・触・法に住すべからず、法相に執着せず、回報を求めず、このような布施こそが波羅蜜であり、涅槃の彼岸に至ることができるのである。

——生如法師の開示
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