天賦はどのように現れるのでしょうか？

世の中のあらゆる職業や分野において「天賦」が重視されます。天賦とは何でしょうか。平たく言えば天から授けられたもののように見えますが、実は生まれながらに前世から持ち越したもので、熟練工のようなものです。生まれつきある程度習熟しており、縁が具わるにつれ次第に熟達していく、これこそ前世の業種が発現したものです。前世に業種を残していなければ、今世で初めて触れたものはどれほど努力しても未熟者です。したがって天賦を持つ人々も、長劫の生死輪廻の中で人界にいる時間が比較的長く、人の世界の事柄に多く触れ、人界のことに慣れ親しんでいます。ある方面に多く触れ、種を蒔けば、後世においてその方面に天賦が現れるのです。ですから衆生が人界で善行を積み福を修めれば、人界に生まれる機会が多くなり、人界における業行の種を多く蓄え、天賦ある者となる機会を得るのです。

仏法を学ぶ分野にも天賦という観念があります。一生涯や短い劫の期間では何も修得できず、幼稚園児のように修行の道筋も見出せません。しかし諦めさえしなければ、必ず一世において熟練者となり、古参の修行者として生まれつきの天賦を備え、専門家となり、久修の菩薩となるのです。ほとんどの者がこのように、六道輪廻における機縁の違いにより蒔かれた種が異なり、仏法を信じ学ぶ時期に早晩があるだけです。したがって他の衆生が一日も早く仏法の縁に遇えるよう、先に仏法を信じ学ぶ我々は、未だ目覚めぬ一切衆生に回向を捧げ、彼らに善因を植え付けるべきです。そうすれば彼らは将来仏法に遇う機縁を得て信仰を始め、長く信じるうちに仏法を学ぶようになります。このような心量を持つ者は自らも速やかに成長し、他者を多く顧みることで多くの事柄を理解し、自ら速やかに成熟して、知らず知らずのうちに菩薩大人へと変容するのです。