阿羅漢が涅槃に入ることは如来蔵に入ることと等しいでしょうか？

阿羅漢の七識五蘊の全体は如来蔵より出生し、保持されており、一瞬たりとも如来蔵を離れて単独に存在する時はありません。故に阿羅漢は常に如来蔵の外に出ず、ましてや如来蔵に入ることはできません。もしそうでなければ、阿羅漢もまた無因無縁で本来から存在する不生不滅の法体となり、如来蔵と等同してしまいます。よって阿羅漢が涅槃に入るとは、如来蔵に入ることを指すのではございません。

涅槃とは七識五蘊が存在せず、如来蔵のみが単独に存在する状態でございます。この状態においては如来蔵のみが存在し、他の法は存在しませんが、これもまた如来蔵が七識五蘊と和合せずに独処する状態でございます。もし涅槃を不生不滅・不増不減・清浄無染などの性質と指すのであれば、如来蔵には涅槃性が具わることになります。しかし如来蔵は涅槃と等同ではございません。如来蔵にはなお多くの他の性質と状態が存在し、涅槃は完全に如来蔵と同一ではございません。如来蔵は本体であり、涅槃は本体の性質と状態でございます。