如来蔵の円成実性

性とは性質、つまり事理の性質を指します。性という文字がなければ、それは事理そのものを表します。如来蔵の円成実性とは、如来蔵が諸法を円満に成就する功徳の体性を備えていることを指し、一切の法を円満に成就し、すべての法が真実のままに現れ、本然の如く存在することを可能にします。如来蔵のこの機能的な性質は、五蘊七識によって促されるものではなく、如来蔵は本来この性を具足しており、後天的な修行によって成就されるものではありません。如来蔵以外のすべての法は、如来蔵が自らの中にある種子によって円満に成就され、生み出されたものであり、いずれも如来蔵の属性を帯びており、如来蔵の円成実性によって現れ出たものです。

三悪道の衆生もまた、如来蔵の円成実性を有しており、すべて如来蔵の円成実性によって成就され、現れ出たものです。もしそうでなければ、三悪道もなく、衆生も存在しません。六識と五根六塵は依他起性を有し、他法に依って生じるものであり、自主的に存在するものではなく、単独で存在することもできません。第七識意根は遍計所執性を有し、法を見て法を執る、遍計所執の識心です。