六識の身口意の行いを司るのは誰か

六識が造り出す事相は、後の第七識である意根が主導して決定するものであり、これは意根の心の行いを表しています。意識の表層的な行為造作、身口意の行いの背後には、常に意根が主宰として存在しています。身口意の行いは意識の決定に従うことができますが、そのためには意識の力が意根を上回り、説得力を持つ必要があります。意根が意識の提案と導きに従う意思を持たねばなりません。もし意根の力が強く、意識の提案に従うことを望まない場合、全ては意根が主宰し決定します。例えば殺生を行う際に殺しながらも衆生を憐れむ場合、意識の憐れみが依然として意根の殺生の習気に及ばず、依然として意根に従って殺業を造ってしまうことを示しています。

意識は一時的に意根に抗しきれませんが、意識がさらに強くなり、法と因果を深く理解するに従い、説得力が増します。意根を説得した後は、もはや殺業を造らなくなります。意識が意根を薫染することに成功していない時は、意根に従って殺業を造りながらも、心に憐れみを抱くことになります。意識自体の善心所法がまだ堅固で強固でない時は、意根を導くことができず、意根に抗しきれず、善業を造りながらも貪欲・瞋恚・嫉妬に囚われ、利益のみを求め、自利のみを考え他者を利することを考えません。意識の善心所法が十分に強固でなく、完全に薫習されていない時、四正勤は修められず、意根の未生の善は生じず、已生の悪は断じられず、悪を断ち善を修めることができません。