熏習の意根とは何か

意識が法に対する思惟によって、自らの思想・観念・見解・知見が形成される。これと同時に意根への薫習作用が生じ、思惟の過程は意根を薫陶する。意識が集中した思惟はさらに意根の心奥に深く入り込み、薫習の効果が明らかとなる。仮に意根が注意を払い真摯に向き合うならば、それが最初の段階の効果である。意根が警戒心と思惟を生じさせたならば、効果はより顕著となる。意根の思惟が集中し深まり、理法に適うものであれば、薫習の効果はさらに明瞭となる。意根の思惟に条理が整えば、効果は顕現する。意根が法の真意を思惟し、初歩的な決断を得たならば、真の効果が現れる。意根が極めて明確かつ如理な結論に至り、自らの思惟を強固に認可し、相応の決断と判断を下したならば、薫染が成就したと言える。意根が転換すれば、以降の一切の心行も転じ、意根の判断と決断を中核として回転する。これをもって薫習が究竟したと見做すのである。