原文:先業煩悩の引き起こす諸蘊が自然に滅するが故に、余の取る所無きが故に、相続すること無きが故に、無余依般涅槃界において般涅槃す。此の中には、全てに般涅槃する者無し。生死において流転する者無きが如し。唯だ衆苦の永滅有り、寂静・清涼・滅没す。唯だ此の処最も寂静なり。所謂、一切の依る所を棄捨し、愛尽き欲を離れ、永く涅槃に滅入る。
釈:過去の煩悩業が引き出した五蘊が自然に滅した故に、三界世間に対する執取は再び存在せず、来世の生命は再び相続されることが無い。無余依般涅槃界において涅槃を得るも、般涅槃する者も無く、同じく生死に於いて流転する者も無い。唯だ衆苦が永遠に滅尽し、寂静で清涼、一切法を滅没せしめ、此の涅槃の処こそ最も寂静であり、一切の依り所を捨て去り、貪愛が永尽に離欲し、永遠に五蘊を滅尽して無余涅槃に入る。
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