原文:彼のその時、貪欲を領受すること余すところなく永く尽き、瞋恚を領受すること余すところなく永く尽き、愚痴を領受すること余すところなく永く尽きぬ。彼の貪瞋痴は皆永く尽きたる故に、諸の悪を造らず、諸の善に習近す。その心は虚空の如く清浄なる水の如く、妙なる香檀の如し。普く一切の天帝天王の恭敬供養を受く。有余依の般涅槃界に住し、生死の海を度り、既に彼岸に到れり。亦た最後の有身を任持する名有り。
釈:阿羅漢はこの時、六塵の境界を受ける際に生じる貪欲が永遠に断尽し余すところなくなり、六塵の境界を受ける際に生じる瞋恚が永遠に断尽し余すところなくなり、六塵の境界を受ける際に生じる愚痴が永遠に断尽し余すところなくなった。貪瞋痴が全て永遠に断尽した故に、もはや諸々の悪業を造らず、諸々の善法を修習する。その心は虚空や清浄な水のようであり、また妙なる栴檀香の如く、広く一切の天帝や天王たちから恭敬供養を受ける。有余依涅槃界に住し、生死の海を渡り越え、既に彼岸に到達した。これはまた最後の有身を保持するものと称される。
1
+1