意識の煩悩の源

意根は意識が生じるための俱有依であり、また意識の心地が染汚と清浄となる所依でもある。意識は意根と法塵が接触した後、意根の抉択造作によって初めて生じるものである。意識の煩悩はどこから来るのでしょうか。一つは意根の調制と薫染によるものであり、もう一つは周囲の染汚環境の薫染によって形成されるのである。

意根はどのように意識を調制し薫染するのでしょうか。意根が六塵境界に接触する時、おおよそ塵境が心に適わぬと判断すると、意根はまず心に煩悩を起こし、塵境に対治しようと欲する。そこで意識が生じ、意根の指令に従って現在の法塵を了別し、身口の行動を起こす際に煩悩を帯びるようになる。身口が染汚となるのは、まさに意識が意根の調制を受けた結果である。薫染の意味は、意根の煩悩が現れる度に意識を薫染し、意識が次第に薫習を受けて意根と同じ煩悩を具えるようになることである。例えば嬰児が生まれたばかりの時、意識には煩悩がないが、時が経つにつれ意根の先天的な煩悩が意識の心行を左右し、意識は次第に意根の煩悩と一致するようになる。これが意根による薫習である。意識が覚悟した時、初めて煩悩を軽減し、逆に意根の煩悩を制御できるようになる。

意識の煩悩の第二の源は、塵境の薫染である。常に同類の者々の種々の煩悩の中に身を置き、日々積み重ねて薫習するうちに、心に煩悩が現れる。意識の煩悩は再び意根を薫染し、意根にも同じ煩悩を具えさせる。煩悩を断った後の意根は薫染を受け難く、仮に偶発的に煩悩が起きても、それは意識の一時的な煩悩に過ぎず、後には消滅して長く持続することはない。