意根と六識の身口意行の関係

問：意根が人の身・口・意の行いを主導しているならば、身行と口行において六識は具体的にどのような作用を及ぼすのでしょうか。

答：意識は身行と口行の具体的な執行者、すなわち造作者です。身行と口行を通じて、意識がどのように運行し、どのような役割を果たしているかを知るべきです。例えば、行住坐臥・言談語笑・飲食などは全て意識と身識の働きによって成り立ちますが、実際の制御者は意根です。表面的には意識が指揮しているように見えますが、意識は意根に提案を行うだけで、具体的な決定は意根に委ねられています。運行の過程で意識が他の考えを生じさせると、意根はその合理性を判断し、採用する場合もあれば維持する場合もあります。意根が同意しなければ、意識は元の命令通りに運行を続けます。

身行は意識と身識の和合運作であり、口行も同様に意識と身識の協働です。色を見ることは意識と眼識の協働、声を聞くことは意識と耳識の協働、香りを嗅ぐことは意識と鼻識の協働、味を感じることは意識と舌識の協働、触覚を覚えることは意識と身識の協働です。六根のいかなる運行にも意識の参与が必要であり、意識がなければ五蘊身は活動できず、意識が弱ければ五蘊身の活動も鈍化します。

衆生が定力を欠き観察の智慧も不足している場合、六識が身口意に及ぼす表面的な作用しか認識できず、意根の主導的役割や選択機能を見抜くことができません。ましてや阿頼耶識の根本的働きに至っては、その運行の様相が極めて微細であるため、善根と福徳が不足する凡夫には観察が困難です。この観察不能を根拠に「一切の法は六識の作用に過ぎず、意根や阿頼耶識など存在しない」と主張する六識論は、智慧を欠いた見解であります。