身口意の行いは意識によるものか、それとも意根によるものか

身口意の行いはすべて意識によって作り出されるものであり、意根の無明に駆り立てられたものである。意根に無明がなければ、意識が無明に染まった業を作り出すことはない。これが十二因縁で説かれるところである：意根の無明が意根の思心所を生じさせ、身口意の行いを作り出そうとする選択が生まれる。意根が選択を下した後に意識と五識が生起し、意根の心行と選択に沿った身口意の行いを作り出す。ここで意根が主導的立場にあり、意識はただ意根の調制に従っているに過ぎない。例えれば、五歳の子供が醤油を買いに出かけるのは大人が指図するからであり、大人は家庭で衣食住を管理し、不足があれば子供を遣わして買わせる。また職員の仕事は上司が配置し分配するものであり、職員は上司の管理に従わなければならない。社会の各業種の活動は国家の上層指導部が配置し、下部組織は上層指導部門の配置に基づいて活動を展開し、命令に背くことは許されない。

衆生の身口意の行いは表面的には意識と五識によって作り出されているように見えるが、実質的には意根の意志と主張を表しており、意根の習気と習慣を体現している。主従が調和して作用する時に五陰身は協調するが、調和して作用しなくなると、意根の精神分裂や崩壊を招き、精神疾患を引き起こす可能性がある。ただし時として意根が特定の法を理解できない場合には主張や方針がなくなり、意識の意見や見解に従うことになる。時には盲目的に従うこともあり、意識が主張する内容を十分理解していない場合もある。この時こそ意識の強さが顕れるが、意根に智慧があれば意識が意根を凌駕することはなく、永遠に意根自らが主導権を握って判断を下すのである。