瑜伽師地論第三十四巻（四十九）

四聖諦の十六行相を修習すれば、四聖諦の相を明らかにすることができる。無常・苦・空・無我の四行によって苦諦の相を明らかにし、因・集・起・縁の四行によって集諦の相を明らかにし、滅・静・妙・離の四行によって滅諦の相を明らかにし、道・如・行・出の四行によって道諦の相を明らかにする。このうち十種の行相によって苦諦を観察し、苦諦の四行相を悟入することは既に述べた。次に如何にして集諦の四行相を修習して集諦の相を明らかにするかを説く。

原文：さらに四行によって苦諦の相を正しく覚了した後、次にこの苦諦を観察する。何が因であり、何が集であるか。何が起であり、何が縁であるか。それらを断ずることによって、苦もまた従って断たれる。このように集諦の四行相によって集諦の相を了知する。すなわち、愛が苦を引き寄せるゆえに因と名づけ、苦を引き寄せた後さらに招き集めて生じさせるゆえに集と名づけ、苦が生じた後それを現起させるゆえに起と名づけ、さらに将来の諸苦の種子を摂受し次第に諸苦を招集するゆえに縁と名づけることを了知するのである。

釈：苦・空・無常・無我の四行相によって苦諦の相を誤りなく覚了した後、再びこれらの苦諦が現れる因は何か、苦が如何に集積されたか、苦が如何に生起したか、苦が何を縁として現れたかを観察する。この因・集・起・縁の四行相を断ずれば、苦もまた従って断たれる。よって集諦の四行相を観察して集諦の相を断ずるのである。愛が苦を引き起こすことを了知し、これを因と説く。苦を引き出した後、さらに招集して生じさせる故に集と説く。苦が生じた後、それを現起させる故に起と説く。さらに未来世の諸苦の種子を摂受し、次第に諸苦を招集する故に縁と説くのである。