意根と意識の四つの関係

人間の心理的な問題は、一般的に意根の問題である。意根が長期間理解されず抑圧され続けると、心理的問題が発生し、様々な心理的症状が現れる。意根の心理的問題を解消するには、第一に心理を理解する他者に頼ること、第二に自己の意識に依拠することが挙げられる。意識が意根の心理状態を明らかにし、解決策を有し、問題解決の能力と智慧を備えていれば、段階的に意根の心理的状態を導き、意根を開放し、鬱屈を解消し、抑圧された感情を解放することができる。

一般的に、意根と意識の関係は四種類に大別される。意識と意根が調和一致する場合が二種、不和合の場合も二種存在する。

第一の場合、意根が善であり意識も善である。両者が調和して善に一致し、意識が意根に逆らわず、むしろ意根の善を増長させる。結果として迷いのない善、心から痛快な善、内面から外面に至る完全な善が現れ、心理的問題を生じない。善行を行った後は心が一層爽快となり、これは大善であり、大いなる善果を得る。善業の種子が速やかに成熟し、善報を受けるのも早い。

第二の場合、意根が悪であり意識も悪である。両者が調和して悪に一致し、意識は微塵も意根に背かず、むしろ意根の悪を増長させる。両者が共に迷いなく痛快に悪を為し、悪業を造った後も一層痛快さを覚え、心理的快適さを感じ、恥じ入ることもない。心理的問題はないが、これは大悪であり、悪業の種子が速やかに成熟し、悪報を受けるのも早い。

第三の場合、意根が悪であるが意識が善である。意識が一途に善を志向する時、意根は不快を覚え善を拒む。しかし環境の圧力に迫られて善を行わざるを得ず、意根に心理的問題が生じる。後悔を生じることもあり、この心理的問題は解決可能な場合もあれば不可能な場合もある。これは真の悪に偽りの善を被せたもので、本質は悪である。もし意根の悪の力が環境の力を凌駕し、意識の善が弱く意根に影響を与えられず、薫染に成功しなければ悪業を造作する。これは真の悪である。ただし常にそうとは限らず、意識が良好な環境に薫染され次第に善に傾き、意根の悪を克服すれば、後に善業を造り悪を為さなくなる可能性がある。

第四の場合、意根が善であるが意識が環境の影響で悪心を有する。意根が環境に逼迫されて悪を為さざるを得ない時、心理的陰影や抑圧、悔恨が生じる。この心理的問題は悔い改めによって修復可能な場合もあるが、修復不能な場合もあり、意根に心理的しこりが残る。これは真の善に偽りの悪を被せたもので、本質は善である。もし意根の善の力が強く、意識の悪の力が弱く善に打ち勝てず、薫染されなければ最終的に意根の善が主導して善業を造作する。ただし常にそうとは限らず、悪の環境が持続し意識の悪が増強されれば、意根も意識の悪に従って悪業を造作する決定を下す可能性があり、意根が悪に薫染されることになる。