原文:いかにしてまた別離行によって、無常性を観ずるや。内外二種の別離に依るに、諸行が無常性なることを知るべきである。内別離による無常性とは、たとえばある者が先には他人の主人であり、奴隷でもなく下僕でもなく、自ら享受し、他人を駆り使って諸々の事業を行わせたとする。その後、その者が主の性質を退失し、奴隷や下僕の性質を離れ、他者の奴隷となり下僕となる性質を得るに至る。この主たる性質などにおける変化を、別離無常の性と名づく。
釈:いかにして別離行によって無常性を観察するや。内外二種の別離に依って、諸行が無常性であることを知るべきである。内別離による無常性の意味は、もしある人が以前は他人の主人であり、自らは他人の奴隷や下僕ではなく、完全に自己の意志で行動し、他人を駆使して諸事業を行わせたとする。その後この人は主人の地位を失い、主人としての性質を退失し、奴隷や下僕でない性質を離れ、逆に他人の奴隷や下僕となる性質を得る。このような主人としての性質などにおける変化を、別離無常の性と称するのである。
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