理論に対する薫習の段階

学びと修行は二つの次元に分けられます。最初は意識の表層において行われるものであり、最終的には意根の深層に達することができます。あらゆる理論的知識の学習は、まず意識から始まり、最初のうちは意根にまで達することはできません。意識は学びながら同時に意根を薫習し、薫習が成功すると理論的知識を完全に掌握し、自らの真の知見となり、自身の学問や技能として定着します。そうなれば時と場所を選ばず発揮でき、障害もなく、忘れることもありません。意識のみで掌握した知識は忘れ去られるものです。なぜならそれは外部から学んだ他人のものであり、自らのものではないからです。真に自己のものとなったものは決して忘れず、特に記憶に留めようとする必要もなく、必要に応じて自然に現れます。これを自心の流露と呼び、鸚鵡返しのようなものではありません。仏法の修証においてはこれを自性の流露と説く者もおります。