個人が書いたもので経典や真言でない場合は、そのまま焼却しても差し支えありません。ただし仏教経典・真言・仏菩薩の名号が記されたもので、修復や保存が不可能で縁結びとして他者に譲渡できない場合に限り、滅罪の真言を唱えた上で焼却します。修復可能で保存や縁結びが叶うものは、いかなる場合も焼却してはなりません。寺院で出家者が破損した仏像や経典を焼却しているのを見て、自分も経典を焼却してよいと考えてしまう人がおります。他者の行為の表面だけを見て判断するのは危険であります。実際には他者の処理方法や心構えは容易に窺い知れぬものです。時に他者が行えば罪にも戒律違反にもならない行為が、同じことを自分が行えば罪や破戒となる場合があります。人の心掛けや福徳、修行の境地、戒律と職責が異なれば、結果や果報も異なります。安易に他人の行いを真似るべきではありません。
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