内なる事象における寒熱の変化を如何に観察し、無常なる性質を思惟すべきか。謂く、自ら或いは他者が厳寒の時に、身体安泰ならず、身を縮め震え慄き、寒気に迫られて温陽を求め、炎熱の時に身体安泰にして身を奮い口渇き、小雨のように流れる汗に熱渇に迫られて清涼を求むるを観見するが故なり。再び寒時に至れば、前に説きし如き相状を見る。此等の事を見て即ち是の如く念う:『此等の諸行、其の性質は無常なり』と。余は前に説きし如し。
解釈:如何にして身体における寒熱の変化によって生じる無常の性質を観察すべきか。自他ともに極寒の時には身体不調で身を丸め震え、寒気に苛まれ温もりを求め、酷暑の時には身体を伸ばし口渇き汗だくとなり清涼を願う様を観察する。再び寒さが訪れれば前と同様の相が見られる。此等を観て「諸行は無常なり」と覚知する所以である。
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