原文:いかに内事の形色を尋思し、所作変異無常の性を観るべきか。顕色の如く説くが如し。かくの如き形色は肥痩の故をもって、またしかるべしと知るべきなり。いかに内事の興衰を尋思し、所作変異無常の性を観るべきか。観見するによりて、自他の先時の眷属財位、あるいは悉く興盛するを見、後に一切皆衰損するを見、また後時に再び興盛するを見る。この事を見て已り、すなわち是の念いをなす。かかる諸行の性は無常なり。何を以ってか。興衰変異は現に得べきが故なり。
釈:いかに内身の事が形色に現れた変異無常の性を観察するか。観察された顕色の如く、形色の肥痩においても同じ道理である。いかに内身の事が興衰に現れた変異無常の性を観察するか。自他が過去に持っていた眷属と財産・地位を観察し、時に全てが興盛していたのを見、後に全て衰損し、さらに後には再び興盛するのを見る。これらの現象を観察した後、心にこのような感想を抱く。このような諸行の性質は確かに無常である。何故ならば、家財眷属の興衰変異が現前に観察できるからである。
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