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日常法話

2022年03月30日    水曜日     第1開示 合計3599開示

瑜伽師地論第十巻十二因縁釈(九)

原文:問。無明が行に対して、幾種の縁となるか。答。諸色行に対しては、増上縁となる。無色行に対しては、三種の縁となる。謂わく等無間縁、所縁縁、増上縁なり。かくの如く余の支が縁となる多少は、此の如く知るべし。謂わく有色の支が有色の支に対しては、一つの増上縁となる。無色の支に対しては二縁となる。謂わく所縁縁及び増上縁なり。若し無色の支が有色の支に対しては、唯だ一縁となる。無色の支に対しては三縁となる。謂わく等無間縁、所縁縁、増上縁なり。

釈:問:無明が行を縁づけるこの支には幾種の縁があるか。答:無明が(引生する)一切の色法の行(身行・口行)に対しては、ただ一つの縁、即ち増上縁である。無色法の行(意行)を縁づける(引生する)には三種の縁:等無間縁、所縁縁、及び増上縁がある。他の幾つかの支が各々何の縁を持つかは、以下の如くに知るべきである:色法を持つ支分が色法を持つ支分を縁づける(引生する)には、ただ一つの増上縁である。色法を持つ支分が無色法の支分を縁づける(引生する)には二種の縁:所縁縁及び増上縁がある。もし無色法の支分が色法を持つ支分を縁づける(引生する)には、ただ一つの増上縁である。無色法の支分が無色法の支分を縁づける(引生する)には三種の縁:等無間縁、所縁縁、及び増上縁がある。

色法を持つ支分は身口に関わり、身口の造作である。無色法の支分は識心に関わり、識心の造作である。色法を持つ支分は、色法を持つ支分と無色法の支分という二種の支分を引生することができ、無色法の支分もまた色法を持つ支分と無色法の支分という二種の支分を引生することができる。色法を持つ支分と無色法の支分は互いに摂受し合うことができる。

ただ無色法と無色法の支分の間のみが三種の縁を持つ。何故ならば、それらは全て識心及び心所法の部分であり、種類が同じで、互いに縁づけ合い、互いに増進し合うからである。色法を持つ支分と色法を持つ支分の間にはただ増上縁のみがある。一つの色法が他の色法の生起を促進するが、色法を持つ支分が無色法の支分に対しては二種の縁:所縁縁と増上縁である。何故ならば色法は無色法の所縁となる相分であるから、所縁縁となる。また色法は無色法の生起を促進することができるから、増上縁となる。一方、無色法が色法に対してはただ増上縁という一つの縁のみである。

等無間縁の意味は、種類が相等しく、かつ無間断の縁である。識心と識心の間は相等しく、識心と心所法は相等しく、かつ同類の識心である。例えば意識と意識の間は等無間縁であり、意根と意根の間は等無間縁であり、眼識と眼識の間は等無間縁である等。また、心所法とそれに相応する識心は等無間縁である。或いは識心とそれに相応する心所法は等無間縁である。

しかし、全ての心所法が常にそれに相応する識心と等無間縁であるわけではない。何故ならば心所法は時々処々に存在するものではなく、常に識心に伴うものではないからである。ただ時々処々に識心に伴う心所法のみが、識心との間に等無間縁となる。例えば無明、例えば触や作意である。等無間縁も永遠に等無間縁であるわけではなく、段階的な一定期間の等無間縁である。無明が滅し、識心がもはや受や想を受けなくなると、心所法は識心の等無間縁ではなくなる。無明は識心が縁とする法であり、識心が有する法であり、識心と相応し、無始劫以来ずっと識心の運転に伴い、分離しない。故に無明は識心の等無間縁であり、また識心の所縁縁と増上縁でもある。

所縁縁の意味は、一切法は識心が縁とする相分であり、相分もまた一種の縁、即ち識心の所縁縁である。所縁縁はまた所縁境とも呼ばれ、親所縁縁と疎所縁縁に分かれる。親所縁縁は識心が自ら縁とする法であり、直接に対応する法であり、法と分離できない。疎所縁縁は識心が間接に縁とする法であり、識心と分離しており、直接に縁とすることができない法である。例えば甲の色身と識心は、乙の識心の疎所縁縁である。乙の識心は甲の五陰身から離れて単独に存在することができ、甲の存在の有無は乙の識心の運転に影響しない。また例えば第八識が現じる本質境は、識心の疎所縁縁である。識心は直接本質境を縁とすることができず、ただ本質境が転変した性境、帯質境、独影境のみを縁とすることができる。識心はまた直接種子を縁とすることもできない。故に種子もまた識心の疎所縁縁である。これ以外は、全て識心の親所縁縁である。

増上縁の意味は、この法が他の法の生起の依り所と助縁となり得ることであり、他の法の生起に対して協力、補助、推進の作用を果たし、直接かつ主要な作用ではなく、法が生起する主要な要因ではない。

回向文:我々のネットワークプラットフォームにおける全ての弘法と共修の功徳を以て、法界の一切衆生に回向し、世界の民衆に回向し、世界の平和を祈願し、戦争起こらず、烽火興らず、干戈永遠に止み、一切の災難、尽く消退せんことを!各国の人民が団結し互助し、慈心を以て相い向かい合い、風雨順調で国家安泰、民衆平安ならんことを祈願する!一切衆生が因果を深く信じ、慈心を以て殺生せず、広く善縁を結び、広く善業を修め、仏を信じ仏を学び、善根を増長し、苦を知り集を断ち、滅を慕い道を修め、悪趣の門を閉ざし、涅槃の路を開かんことを!仏教が永く興隆し、正法が永く住し、三界の火宅を極楽の蓮邦に変ぜんことを祈願する!

——生如法師の開示
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