楞伽経第二巻原文:爾の時、大慧菩薩摩訶薩、仏に白して言く。世尊よ。世尊の修多羅に説かく、如来蔵は自性清浄にして、三十二相を転じて一切衆生の身中に入る。大いなる価ある宝の如く、垢衣にて纏わる。如来の蔵は常住にして変わらず、また是の如し。而して陰・界・入の垢衣に纏われ、貪欲・瞋恚・愚痴の実ならざる妄想、塵労に染污せらる。一切の諸仏の説きし所なり。
釈:自性清浄なる如来蔵は、高価な宝の如く、五陰・十八界・十二入という垢衣にて纏われ、貪・瞋・痴の煩悩、妄想、塵労に染污されている。清浄なる如来蔵を見ようとすれば、五陰・十八界・十二入を破り、貪・瞋・痴の煩悩と妄想・塵労を洗い除かねばならず、そうして初めて如来蔵は顕現する。この文章は、如来蔵を証得するには我見を断ち、貪・瞋・痴の煩悩を消除せねばならないことを極めて明確に示している。故に、我見を断たず、煩悩を除かねば、如来蔵を証得することはできない。したがって、「煩悩を断たずして菩提を証する」は仏説にあらず。
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