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日常開示

2018年03月06日    火曜日     第4 回の開示 合計162回の開示

六識における五遍行心所の作用の仕組み(4)

五遍行心所法の運行実態は、ある比喩で説明できる。例えば絵師が絵を描く場合、五遍行心所法は絵師に喩えられ、心所法が了別する六塵境界は絵師が描く山水画のようなものである。絵師が模写する際、まず眼前の風景を見る必要がある。視線を風景に向ける時、それは作意の作用である。眼識を風景に転じることは注意力を対象に導くことで、次の触と取相の心行を引き起こす。風景を見る行為が作意であり、作意後に触が生じ、触の後に受が起こる。この段階の受は単に六塵境界を受け入れ領納する段階で、苦楽憂喜捨などの感情は伴わない。山水の美しさや壮観に対する評価も、境界への感慨も未発生である。これは了別と取相が未開始で、単純に境界を受け入れる段階だからである。

受け入れた後、了別が始まる。了別は想にあたり、対象が何かを認識することで相を取る。取相後、眼を引き心に留めて思念を固め、山水の境界を確実に記憶する。これが思心所の運行で、臨摹方法を決定する段階である。心に刻んだ山水境界を画板に描き始める行為は、思心所による造作であり、身口意行が生起した状態を表す。

絵師が描画を続ける内に心中の影像が曖昧になると、再び風景を見直す。これが再作意である。再び触れ、領受し、この段階で情緒的感覚が生じる。山水の秀麗さや壮観を感じ、詩情が湧き上がる。この感受は最初の模写時から潜在していた可能性がある。領受後再び了別し、思考を重ねて描画を続ける。この一連の行為は作意・触・受・想・思の五心所法が反復運行する過程に相当する。

作意後に境界に触れ、触後に受が生じ、了別が不鮮明なら再触が起こる。注意力が持続している場合は新たな作意を要さず、継続的に触が働く。境界から離れていないため、改めて領納する必要もなく、直接想心所が生起し、了別と思量を反復する。この連続的な造作行為は山水画が完成するまで続き、六識が完全に了知し最終決断を下すことで終了する。五遍行心所の当該境界における運行が完結し、身口意行の造作が完了すれば、模写作業は終わる。

五遍行心所法は山水を模写する絵師の如く、常に対象境界に触れ、作意し、了別し、思考し、了別された境界に基づいて模写を開始する。六識における五遍行心所法の運行も同様の原理で機能するのである。

——生如法師の開示
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