四念処観行問答34

問：観行において散乱を対治するにはどうすればよいですか？

答：心がまだ鎮まっておらず定力が不足している場合、観の効果はほとんど得られません。この時は観法を減らすか、あるいは観法を行わないべきです。観法が多すぎると心がさらに散乱し、禅定が進まなくなります。観行と止観の実践では適切な加減を把握し、定力が増すに従って観行を次第に深化させ、観る内容を徐々に増やしていくべきです。心が散乱していると感じたら、所縁境を減らして一つの内容に専念するか、あるいは観を止めて止だけを修するべきです。心が散乱せず集中が増すならば、より深く繊細な観行を進めることができます。一点に凝住して動かず、極めて深い定力を得た後、その経験を基に新たな点を追加し、段階的に所縁を拡大していきます。このように定と慧は相互に深化発展するのです。

問：普段の座禅で一つの点を縁とした後、別の所縁点を追加する場合、心は同時に二つの点を縁とするのでしょうか？

答：所縁を増やすとは、最初に定力が不十分な段階では鼻腔の気流現象を観察するだけで充分です。定力が増した後は気の運行に従い、気管・胸腔・丹田など各部位の状況を継続的に観察します。定力が強化されれば観行の経路を徐々に延伸し、注意力を気の流れに沿わせます。さらに定力が増せば気の到達点に応じて観察範囲を拡大し、同時に身体各部の状況を観察把握し、気が拡散する時も同様に観行します。これは漸進的な観行であり、定力の状態に応じて調整します。定力不足時は鼻腔内の気だけを観察し、自身の定力の強弱に合わせて観行の所縁対象を加減すべきです。