良い習慣を培うために一定の時間と労力を費やすことは非常に価値があります。それはちょうど、量産のために型を作るのに時間と労力とコストをかけるようなものです。この過程は心血を注ぎ時間を要しますが、一旦型が完成すれば、その後は製品を生産するのに非常に多くの時間とコストを節約できます。すなわち、努力半分で倍以上の効果を得られ、少なくとも四倍から無限倍の時間とコストを節約できるのです。これは非常に価値のあることです。習慣を形成する段階は苦労が伴い、成功したり失敗したり、進んだり戻ったりして、継続するのは容易ではありません。このような時には、そばで監督してくれる人が必要であり、互いに監督し合える仲間がいればよりやりやすくなります。どのような良い習慣を培う必要があるかは、各自が自身の状況に応じて意識的に選択し、それによって道理や修行に合わない世俗の習慣を改め、修行者としての良い習慣を身につける必要があります。
観呼吸は最初の着手点であり、覚観と正知正念を養うのに比較的良い方法です。微細な観察力と内省力を培うことができ、世俗の良くない習慣に効果的に対処できます。日常生活の中で自分の心の変化を点検し、人・事・物に対する態度に変化があるかどうか、心が清らかになっているかどうか、色・声・香・味・触・法への執着が軽減されているかどうか、思わしくない出来事に遭遇した時に縁に任せられるようになっているかどうか、あまり細かいことを気にしなくなっているかどうか、人間関係が改善され親しみやすくなっているかどうか、心根が優しくなっているかどうか、心境が穏やかになっているかどうか、良くない考えを巡らすことが減っているかどうか、人が温厚になっているかどうかを点検します。もし点検の結果、自分に確かに上記のような様々な良い変化が現れていると分かれば、それは修行が正しい方向に向かっている証であり、四念処の観行が効果を発揮しているということです。絶えず様々な面から自分の心の動きを点検し、適時にまとめを行い、善悪を知り、良い成果を保ち確固たるものとし、良くない習慣を改善し、良い習慣を培う必要があります。そうすることで善根と福徳が次第に厚くなり、戒・定・慧がますます増進していくのです。
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