妄念を消すにはどうすればよいか

すべての念い、思想、観念は無明より生じるが、無明には来る所なく、去る所もなく、虚妄の法である。妄念や思想観念が源のない無明から生じるならば、真に受ける必要はなく、見破り見抜き、妄念の浮き沈みに付き従わず、如如不動であれば、次第にこれらの無明の念いは自ずと消え、心は清浄安寧となる。その後に観る所縁は朗然として明らかになり、無明は薄らぐ。人間の思想観念は行き来し、留めようとしても留まらず、常に変転して止まず、固定できない。これを見破り、気にせず、付き従わなければ、心は自ずと清涼である。観呼吸もまた同様に、客観的に呼吸を見つめ観察し、感情を動かさず、能動的に観念を加えず、理論と結びつけず、ただぼんやりと眺め、局外に立って観察すれば、次第に色身というこの事実を見破れるようになるだろうか。さらに徐々に五蘊というこの事実を見破れるだろうか。ただそれだけのことで、大したことではない。執着があるから大きく感じるだけである。