問:普段の座禅では、心を一点に集中させていますが、さらに別の所縁点を追加する場合、心は同時に二点を縁としているのでしょうか。
答:これは、最初は定力が強くない時には、鼻孔における息の流れの現象だけを観察すれば十分であり、定力が強まってから、息が鼻孔を通った後の運行状況を観察し、さらに息が胸腔に入った状態を観察してもよいという意味です。定力が増した後は、息が運行する各経路の部位の状況をすべて観行することができ、観行の点を増やし時間を長くします。もし定力がさらに強まれば、気に随って観じ、息がどこへ行くか観察し、心は息に従って動き、息が出ていく時も同様です。定力が足りない場合は、鼻腔内、鼻孔内の息の流れだけを観察すればよく、定力に従って観行の所縁を増やしていきます。
問:修行中に出会う煩悩や苦しみにどう向き合えばよいでしょうか。
答:苦痛を感じた時は、その苦痛をよく観察し、長く観察していると、やがて苦痛は消えます。人生に起こるあらゆる出来事を、私たちは特別なことだと思いがちですが、それを長く観察していると、何でもないことだと気づき、何事も大したことではないとわかります。五蘊十八界の観察も同様で、長く観察すれば、五蘊十八界は何も実体がなく、全てが空で無我であると知り、どう追求しても結局は空であり、歓喜も空、苦痛も空であると悟ります。それならば執着せず、そのままにしておく方がよく、そうして我見を断ち、我執の煩悩を減らし、もはや苦しまなくなるのです。
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