問:決まった坐禅の時間になると、坐りたくなるのは、坐禅に慣れたということですか。
答:決まった時間と場所で坐禅を続けると、やがて習慣となります。習慣が身につけば、周囲の騒がしい環境に妨げられることなく、心を空に保てるようになります。習慣とは意根(マナス)の慣性作用であり、意根は執着しやすい性質を持っています。常に行うことは、思考を介さず慣例に従って実行するようになるのです。習慣には良くない面もありますが、良い面もあり、習慣をうまく活用し、良い習慣を身につければ、努力半分で倍の成果が得られます。
一定の時間と労力をかけて良い習慣を養うことは非常に価値があります。ちょうど量産化のために時間とコストをかけて金型を作るようなものです。この過程では手間と時間がかかりますが、一旦金型が完成すれば、その後は製品の生産に要する時間とコストが極めて少なくなり、努力半分で倍以上の成果、少なくとも四倍から無限倍の時間とコストが節約できるのです。これは非常に価値のあることです。習慣を養う段階では大変な労力が伴い、成功と失敗を繰り返し、前進と後退を繰り返すため、継続が容易ではありません。このような時は、傍らで励まし見守ってくれる人が必要であり、互いに支え合える仲間がいればより容易になります。では、身につけるべき良い習慣にはどのようなものがあるのでしょうか。
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