如来蔵の分別性と非分別性

如来蔵には本来、七識の種子が含まれております。これらの種子が外へ送り出され、六塵を了別した後に再び戻ってくる際、了別と造作の内容を共に持ち帰ります。如来蔵はこれを保存すると同時に、七識が何を行ったかを認識します。もし七識が貪・瞋・痴の業を造作した場合、戻ってくる種子は染汚されており、保存された後に再び送り出されると染汚された種子となります。その結果、七識は自然と貪・瞋・痴の性質を帯びることになります。反対に、七識が清浄な業を造作した場合、戻ってくる種子は清浄であり、再び送り出される際には七識の心行も清浄となります。これらの種子は、私たちの身・口・意の行いに伴い、絶えず清浄性と染汚性を転換しており、清浄が多ければ染汚は少なくなり、染汚が多ければ清浄は少なくなります。清浄性と染汚性が同時に増加したり減少したりすることはなく、両者は常に一方が増えれば一方が減る関係にあります。

こうして見ると、七識の種子の数は固定されており、数量的な増減は発生しません。もしそうでなければ、衆生の善性も増加し悪性も増加する、あるいは善業が減少すると同時に悪業も減少するという状況が生じますが、これは不可能なことです。