意識の倶有依とは何か

倶有依とは、二つの法あるいは複数の法が互いに共存することを意味し、生起の時より共に存在し、これがあれば必ずそれがある。この法はかの法に依存して初めて存在し得る。もし五根が意識の倶有依であるならば、五根は意識生起の必要条件であり、五根がなければ意識は存在せず、意識があるなら必ず五根が存在する。

しかし、事実はそうであろうか。衆生の形態から見ると、多くの衆生は五根を持たないが、依然として意識を有している。例えば無色界の天人、あるいは無身の菩薩や大阿羅漢などがそれに当たり、彼らは皆意識を有しているが五根は持たない。すべての衆生の独頭意識は、五根に依存して生起・存在するものではなく、深甚な禅定の中で意識が身体を離れても、依然として了別することが可能であり、五根を必要としない。したがって、五根は意識の倶有依ではない。意識の倶有依は第八識・意根・種子である。

意識の生起に必要な縁は極めて少ないため、生じやすく滅しにくい。五識は二禅以上の禅定においては全て滅尽して存在しなくなるが、意識は無想定と滅尽定においてのみ滅尽する。よって、意識の倶有依は五根ではなく、五識でもないと言える。