問:この白骨観や不浄観における三十六物を自身の身体で観じる時、観じた部位が緩んでいきます。観じる部位への心的執着が薄れるため、自然と緩むのだと感じます。この理解は正しいでしょうか?
答:その通りです。身体の緊張状態は、まさに心の執着によって生じるものです。特定の部位に執着すればするほど、その部位は硬直します。つまり身体の状態は心の状態が形作るのです。情動を除去し心を緩めれば、身体も自然に緩みます。三十六物を観じる際は、あたかも他人の身体を観るように客観的に観察し、執着を離れることです。そうすれば身体は柔軟になり、心が空(くう)になるほど身体はさらに柔らかくなります。
身心が感じる苦受は、全て意根の執着によって生じます。執着がなければ苦受も存在しません。心の結びつきもまた執着から生じるもので、これは縄のようなもの。結びつきがあれば滞りが生じます。執着を離れた時、心境は広々と通じ、天地を自由に行き来できるのです。苦受を感じた時こそ、自らが過去と現在に何を執着したかを省察しなければなりません。あらゆる苦には因があり、その因を見出し解決してこそ、苦果を滅することができるのです。
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