四念処観行に関する質問と回答19

問：座禅中に様々な境界が現れ、例えば仏像が見えるなどした場合、どのように対処すべきでしょうか。

答：一切の境界は虚妄なるもの。いかなる境界にも執着せず、来る者は迎えず、去る者は送らず。仏像を見ても喜びも恐れも抱かず、人に殺されそうになっても気に留めないこと。仏も魔も存在せず、全ては幻影に過ぎぬ。ただ呼吸を観じ続けなさい。

問：師より教わった深呼吸法に従い、腹式呼吸で息を吸い切った後息を止め、吐き、間を置いて繰り返すという能動的呼吸を実践しておりました。昨日は自発的に呼吸を観じた後、自然な鼻腔の出入りを観察していたところ、呼吸が次第に軽く微細になり、深長でなくなったのですが、これは正しいのでしょうか。

答：呼吸観察の初期段階で呼吸が短く障りある場合は、能動的深呼吸法で呼吸を整えること。呼吸が均等になり、心念が清浄になり、身心が軽安を得てから自然呼吸に移行しなさい。これにより正常な呼吸観照の状態に入り、色身に障りが生じなくなる。

問：本日午後の座禅で気機が早く発動し、身体が軽く虚空と融合したかの如く、内外の区別なく、身体・目・胸部などが開放的な呼吸をしているように感じ、空中に浮遊する感覚がありました。一念があって故郷に戻り、ある力に押されて後方へ飛退し、「死んでしまえ」という念が起こりましたが（第七識に委ねようと考え）、そのまま放置していると後退が止まり、月明かりが大地を照らすのを見ましたが依然執着せず、最後に座を下りても身体は飄々とした状態が続きました。

答：身体の感覚状態は全て禅定の境界である。心が静まれば身体の四大は自然に変化し、軽安を得て空中浮遊の如き感覚が生じる。色身の変化はさらに心を変化させる。境界の中で心が転ずるのは定境の現れであり、心が空じた後に現れるもの。それに執着しないのが正しい。定境に入る時間は過度に長くせず、定中の観行を主軸とし、観照を中心に据えなさい。