問:普段の行住坐臥の活動においても、「止」と「定」を修習することは可能でしょうか。動きの中では身体を静止させることができず、このような状況でどのように修習すべきか。師が説かれた未到地定は、動作中にも達成可能なのでしょうか。
答:定を修める目的は心を調えることにあります。身体を静止させることは心の動揺を減らし止心を助けますが、身体静止中の定が清浄で熟達した段階に至れば、規則的な動作中にも止心と定心を保つことが可能です。多少困難ではありますが、身は動いても心は動かぬ境地を達成できます。身動きながら心を静止させる時は縁に触れる機会が多く、心の定力を試される機会が増えると同時に、悟りを得る因縁も多くなります。これは禅を参究する上で大変有益です。我見を断つことも、身体動作中の縁に触れ境遇に遭遇することで霊感が喚起され、空を証得することが可能です。
同等レベルの禅定において、身体動作中の定は静止中の定よりも修練の深さを表し、定力はより堅固なものとなります。これは身体静止中の静寂の定によって保養・維持される必要があり、両方を兼修すれば相乗効果が生まれます。一般的に完全な身体静止は一種の障害となり、定力の増強に不利です。したがって坐禅を一定時間行った後は、経行(きんひん)して身体を動かし、気血の巡りを良くすべきです。これにより心はさらに静まり、思考はより深遠なものとなります。
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