無明という支分は三世に通じます。前世において無明があったために、その後十一の支分が生じ、今世でも無明のために触・受・愛・取が絶えず、来世もまた無明によってこれらのプログラムが継続して作動し、三世の生死が断絶しません。無明はどの段階で断除されるのでしょうか。実際、仏在世当時、十二因縁を修行する者たちの多くは四聖諦を修行済みで、証果を得た者たちさえおり、我見を断除した上で改めて十二因縁を修行する段階では、すでに無明は断除されていましたが、未だ究竟的で徹底したものではありませんでした。故に十二因縁を修行して縁覚辟支仏の果位を証得することは阿羅漢の果位よりも高く、無明の断除がより多く、禅定と智慧が阿羅漢よりも深いのです。無明は多くの層に分かれており、辟支仏も究竟的に無明を断じたわけではなく、諸仏のみが完全に無明を断じ切ったのです。
2
+1