相手をじっと見つめる際、注意力が集中すればするほど、感染され影響を受けやすくなり、感化されやすくなります。これはどのような道理があるのでしょうか。 集中して相手を見つめる時、定力が増強され、相手の一挙一動が心に入り、相手の言行や表情と同調するようになります。そうすると心が染まってしまうのです。相手が頷けば、知らず知らずのうちに自分も頷き、相手が首を振れば自分も首を振り、さらには相手に代わって返答したり、相手が今まさに行おうとする行動を代行したり、相手の思惑を思い、相手の焦りを焦るようになり、相手の思考に引きずられてしまいます。
慈悲の心とは相手の立場に立って物事を考え、自らを相手の心境に溶け込ませ、心を相手と一つにすることです。もし相手を見つめなければ、心が散漫になり、相手の心中の動きを理解できず、相手と融合することができません。そうなれば相手の言動は自分に影響力を及ぼさないのです。
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