父子合集経講義（一三九）

死薀と生薀

原文：大王よ、識はその主となり、業は縁となる。この二種が因縁となって、初めの識が生起する。或いは地獄に趣き、或いは畜生道に堕ち、琰摩羅界や阿修羅、人界や天界に至るまで、初めの識が生起するや、各々その報いを受ける。同分の心品が相続して転じ、最後の識が滅するを死薀と名付け、最初の識が起るを生薀と称する。

釈：仏は説かれた。大王よ、阿頼耶識が来世の五薀身を生じる主となり、業種が縁となる。この因と縁が和合する時、来世の初めの識が生起する。衆生は地獄に趣き、畜生道に堕ち、あるいは琰摩羅界の三悪道に生まれ、或いは阿修羅道・人界・天界の三善道に生を受ける。初めの識心が生起した後、衆生は各々の業報を受け、同じ色身において識心が相続して転じ続ける。命終に際して識心が滅する時、色身は死屍となり死薀と名付けられ、色身に最初に生じた識心を初識と称し、五薀の色身を生薀と名付けるのである。